おうちでロック〜CD紹介⑩〜
こんばんは!町屋菊一です。
CD紹介のコーナー第10弾は、、!
↑THE HIGH LOWS↓/バームクーヘン
日本のロックバンド ザ・ハイロウズによる1999年発売の4thアルバム。
【収録曲】
1.罪と罰
2.チェンジングマン
3.二匹のマシンガン
4.モンシロチョウ
5.ハスキー(欲望という名の戦車)
6.ダセー
7.見送り
8.死人
9.彼女はパンク
10.ガンスリンガー
11.21世のフランケンシュタイン
12.ガタガタゴー
13.笑ってあげる
14.バームクーヘン
このアルバムは全てメンバーだけで行っており自身のスタジオ(アトミック・ブギー・スタジオ)でプロデュース制作したものとなっている。
1曲目の「罪と罰」ダークでロックなナンバーから2曲目こちらもマイナー調の曲「チェンジングマン」と疾走感溢れる出だしの爽快なアルバム。
初見は、個人的にはあまりパッとした曲がないイメージだったが聴けば聴くほど一曲ずつの深みがわかるいわゆるスルメ版かもしれない。
特にこのバンドには珍しく「見送り」など若干切ないようなそんな曲も収録されている。
一方で「ハスキー(欲望という名の戦車)」や「二匹のマシンガン」など明るくアップテンポの曲も収録されておりバラエティに富んだ作品ではないかと思う。
「死人」という曲の一部
“死んだ人よりも可能性がある
なぜならば俺は生きてるからだ”
こんなごく当たり前のことを当たり前に説得力を持って訴えられるのはこのバンドにしか出来ないのでは…という感想。
「笑ってあげる」
タイトルは一見、なんだか誰かを慰めるような前を向けよ的な意味合いな曲かと思えば皮肉たっぷりの曲。個人的にはこの曲が一番好き。
そしてラストのタイトルナンバー飾る「バームクーヘン」
短くシンプルな楽曲だが歌詞がとても深い。
“例えでっち上げたような夢も
口から出まかせでも良い
現実に変えてゆく
僕らはそんなカタチ”
この一節が特に好き。
まさにこのアルバムは名盤のひとつではないだろうか、、!!
百聞は一見にしかず
是非今こそ聴いてみてほしいアルバムです。
それでは、また次回!
筆者:町屋菊一
おうちでロック〜CD紹介⑨〜
こんにちは、CD紹介のコーナーです。
第9弾は…
赤痢/SEX,SEKILI,AND,ROCK'N'ROLL
赤痢というインパクトがある名前のバンドだがガールズバンドであり1980年代前半から1995年まで活動していた。
多分日本のガールズロックバンドの先駆け。
Wikipediaの情報によると、かの有名なソニック・ユースのボーカルもファンであるらしい。
このアルバムは未発表ライブ音源をCD化したもので正直かなり音質も悪くノイズも酷く
いわゆるブート版のような音質だが…
それも相まって当時のライブハウスの熱気、賑わいなどがひしひしと伝わってくる。
バキバキに歪ませたギターにベース
爆音のドラムサウンドは
ハードコアパンク、ガレージが好きな人にはハマる作品なのかもしれない。
ガールズバンドのライブであるが
その熱気と勢いはそこら辺のチョロい男のバンドなどでは太刀打ち出来ないだろう…
過激なバンドやガールズバンドが聴きたい人にはまずオススメのアルバム。
こういうバンドが今もいたら知りたい。
また歌詞の内容もエグく甘くみてると狩り殺されるようなそんなバンドだ。
筆者:町屋菊一
おうちでロック〜CD紹介⑧〜
CD紹介のコーナー第8弾は…
ほぶらきん/メジャーデビュー
失礼ながら もはや令和の日本で知っている人がまだいるのかというバンドかもしれないが、、
このバンドのことは自分が高校1年の頃
NHK-FMで放送されていた「今日は一日パンク三昧」というエグいコーナーで知った。笑
“ほぶらきん”という1979年から83年にかけて活動した滋賀県発のプログレ、、?ガレージ?ロック?アングラ?アバンギャルド?なジャンルを奏でていたバンド。(別名:滋賀の奇蹟)
自宅のガレージで友人を集めライブをしたり
小学生の兄弟が歌っていたりと
なかなか面白いアルバムなので紹介したい。
もはやどこから突っ込んで良いかわからないアルバム。CDは2枚組なのだがDisc1にはなんと69曲が収録されている(笑)
Disc1は本当に1分にも満たない曲がライブで演奏されていたり何故か自宅ガレージで演奏されている音源なども収録されている。
Disc2はレコーディング?されたのかまとまった音声で聴き取れる(CDに対して変な表現だが笑)32曲収録。
演奏も歌も5000歩譲っても上手とは言えないがもはやその内容は僕らの中にある「常識」「概念」「価値観」を覆してくれる。音楽界隈でよく耳にする「独特な世界観」などという陳腐な言葉では収まらないそんな楽曲でありバンドだ。
史上最悪のロックバンドと言われたアメリカのバンドTHE SHAGGSにも色んな意味で勝るとも劣らない。
(THE SHAGGS↓)
しかしその一方で“ほぶらきん”というバンドは関西インディーシーンの伝説的存在ともなっている。
同志社大学では学園祭のEVE祭、京都磔磔、新宿ロフト 名あるライブハウスやイベントに出演している。
他、日本のパンクバンドとして知る人も少なくないスターリンや世界初のノイズバンド非常階段などとも共演しているというなんとも不思議なバンド。
自分も最初聴いた時は絶句したが聴けば聴くほど癖になる。このバンドに「意味」などという無意味なものはそこに存在しないのではないかとさえ感じる。また当CDの解説者JOJO広重氏(非常階段)曰く「日本人が1983年までに聞いたであろう全ての音楽がそこに存在し、ごちゃまぜにされ、時に猥雑に時にアーティスティックに意味と無意味の極限が実にユニークな形で融合している(中略)」とまで言わしめている。
もはやほとんど資料もなくネット時代に探してもなかなか情報が見つからないそんなバンドではあるが謎の魅力と中毒感に包まれるかもしれない。
人によっては「こんなもの聴いてられるか!」「こんなのが音楽とは認めない!」という人もいるかもしれないが
それは紛れもなくそこに存在した伝説のバンドなのです。
計算された演奏なのか計算された符割なのか計算された演出なのか彼らの前ではもはやそんな常識は通用しない。
奇跡的に貴重なライブ映像がYouTubeに上がったいたので興味のある方は是非観てほしい。
ある意味では滋賀県を代表する
T.M.Revolutionより凄いアーティストかも知れない、、
それでは、また次回!
筆者:町屋菊一
おうちでロック〜CD紹介⑦〜
こんばんは、町屋菊一と申します。
今日紹介するのは音楽とは少し離れて
まだ寒さも残る春ですが………
稲川淳二/MYSTERY NIGHT TOUR〜稲川淳二の怪談〜selection13 です。
その名の通り言わずと知れた怪談師
稲川淳二氏の怪談を集めたアルバムである。
4つの噺と2曲が収録されている。
【鏡のない洗面台】
とある出張先の旅館で何故かその部屋の洗面には鏡がなかった。その違和感の正体とは…
【人面相】
とある女性の話。
ある日から始まった奇妙な話。
怖いというより
不思議なお噺。
【樹海〜暗闇の絵馬】
もはや怪談の定番と言っても過言ではない樹海を舞台にした話。
暗闇の中樹海で巻き起こる恐怖が淡々と描かれている。
そして、、
【赤い半纏】
稲川怪談の中でも有名な話。
30分を超える大作でもある。
戦時下における日本の文教場を舞台とした話であり怖いという感情だけでなくどこか寂しく悲しい日本の歴史ならではの内容となっている。
稲川淳二の怪談を聴いた事がないという人も
小学校の頃、図書室にあった本や夕方にやっていたアニメなどで「あか〜いはんてん(ちゃんちゃんこ)着〜せましょか〜」というフレーズ、台詞をもしかしたら一度は聴いたことがあるのではないだろうか。その元ネタ(という言い方は無粋だけど…)になった話でもある。
このCD、怪談だけでなく冒頭に触れたように
曲が入っている。
【赤いはんてんの唄】
前途の怪談をモチーフにした楽曲。
少し怖い雰囲気であるものの歌い手の樋口舞さんという方による美しい声とピアノの音、歌詞の内容も相まって美しい内容となっている。
【怪談爺ぃの唄】
こちらは一転してユニークな曲。
余談だが作曲は前回別記事でも紹介した日本のパンクバンド
頭脳警察の PANTA氏によるものでありはじめて知った時は驚いた。笑
稲川淳二氏のライブMYSTERY NIGHT TOURの際にもロビーやあちこちで流れている。
(なぜ知っているかというと毎年にライブに行っているから)
と、怪談あり音楽ありのなかなか充実した作品となっている。この家に居る期間が多い今日
寝る前に怪談などを聴くのも良いものです。
5時間耐久 稲川淳二の怪談を最後に貼っておきますね。
それではご機嫌よう。
筆者:町屋菊一(虚言倶楽部)
おうちでロック〜CD紹介⑥〜
こんにちは、町屋菊一です。
CD紹介のコーナー
第6弾は
頭脳警察1 です。
ロック好きなら一度は見た事があるかもしれない。
頭脳警察というバンドはPANTA(Vo.Gt) トシ(per.)で1970年に結成された伝説のパンクバンドである。もはや日本語パンクの先駆けと言っても過言ではない。
頭脳警察/1
1.世界革命戦争宣言
2.赤軍兵士の詩
3.銃をとれ
4.さよなら世界夫人よ
5.暗闇の人生
6.彼女は革命家
7.戦争しか知らない子供たち
8.お前が望むなら
9.言い訳なんかいらねえよ
10.銃をとれ(part2)
ファーストにしてライブアルバム。一見、コード進行やサウンドは案外ソフトでフォーク的なのだが歌詞の内容は過激で放送禁止用語連発、発禁納得の名盤だ。一曲目の「世界革命戦争宣言」は冒頭からブルジョアジー諸君!という怒号から始まる。こんなCDは多分世界でもこれだけかもしれない笑
そして「赤軍兵士の詩」「銃をとれ」と革命的な楽曲でライブもアルバムも加速して行く。
4曲目の「さよなら世界夫人よ」でスローなバラードになったかと思えば内容は世界の国やお偉いさん達に対する皮肉たっぷりの歌詞だ。
5曲目の「暗闇の人生」これは自分がこの道を歩んだことへ対する恨み、後悔か、はたまたこんな時代へ生まれてきたことへの後悔か
アルバムの中では際立ってブルーな曲となっているがこちらはトシのパーカッションが特に良い味を出している。
“何回となくこの身よじれ流され
頭から爪先まで汚れきってしまった”
後半の曲はラブソングが多い。学生運動をしている学生の束の間の恋愛だろうか(彼女は革命家)そんな曲や男と女の泥臭い愛や欲望が歌われている。(言い訳なんかいらねえよ/お前が望むなら)
歌も演奏もお世辞にも上手いとは言えないが知的で文学的な詩は政治的思想や価値観などは別としても好きになる人もいるのではないだろうか。もはや音楽の域を超えて当時の背景などがうかがえる価値のある歴史的資料と言えるかもしれない。
音楽から昔の時代背景、価値観、文化などに踏み込んでみるのも面白いかもしれない。
それでは、また次回!
筆者:町屋菊一(虚言倶楽部)
@machiya_3rock
おうちでロック〜CD紹介⑤〜
こんにちは、町屋菊一です。
CD紹介のコーナーです。
第5弾は
森田童子とは70年代から80年代前半にかけて活躍した女性フォークシンガー 素顔や私生活などもほとんど公にする事なくその人間性は謎のベールに包まれていた。基本的に暗い曲が多い。
このアルバムも非常に暗いです。
【収録曲】
1.ぼくたちの失敗
2.雨のクロール
3.淋しい雲
4.ぼくと観光バスに乗ってみませんか
5.君と淋しい風になる
6.ふるえているネ
7.ぼくが君の思い出になってあげよう
8.G線上にひとり
9.赤いダウンパーカーぼくのともだち
10.みんな夢でありました
11.たとえば ぼくが死んだら
12.ラスト・ワルツ
13.蒸留反応
14.ぼくは16角形
15.孤立無援の唄
16.ひとり遊び
落ち込んでる時に聴いたら更に落ち込む。
でも、心地よくて自分は深夜どうしようもない時 よく聴く。かなり好きなアルバム。
敢えてベスト盤を選んだのは 多分このアルバムが森田童子入門編みたいな感じなので
これを聴いて合わない人は合わないし好きになる人はとことんハマると思う。
そんなアーティストだと思うから。
代表曲の「ぼくたちの失敗」「たとえばぼくが死んだら」「雨のクロール」なども収録されているのでドラマの主題歌として知った方も入りやすいかもしれない。
基本的にアコースティック、フォークな感じの曲で構成されている。
ささやくような歌声と重なるアコギが綺麗に交わっていて全体的に暗いものの美しい曲が多いアルバムとなっている。
(14曲目の“ぼくは16角形”という曲は電子音、シンセの音が印象的)
全曲を通して
歌詞の内容は切ない恋愛の曲が多く
お互いを導けなかった別れの歌などが歌われている。
しかしただのラブソングというより もっと心の奥底に呼びかけるようなそんな印象を受ける曲が多い。
個人的には「ラストワルツ」という曲がとても好きで綺麗なピアノイントロからストリングスの流れは非常に完成されている感じがする。
3拍子の曲でその名の通りワルツでありながら
とても冷たく底のない水の中にいるような
そんな曲である。
こんな時だから敢えて深夜に部屋に篭って一人で森田童子を聴くというのも良いと思う。
“美しき明日についても語れず
ただあなたと un deux trois
すべてが帰らぬ un deux trois
すべてが終る un deux trois
せめて最後にラスト・ワルツ”
ラストワルツより一節
筆者:町屋菊一(虚言倶楽部)
おうちでロック〜CD紹介④〜
こんばんは、町屋菊一です。
CD紹介のコーナーです!
第四弾は
FIELD OF VIEW「complete of FIELD OF VIEW at the BEING studio」という作品です!
この作品は90年代に活躍したBEING系のポップバンドFIELD OF VIEWの2003年リリースのベスト盤です。
さわやかな歌声と歌唱力を誇る浅岡雄也氏がボーカルを務めたバンド。
個人的にはこのバンド自体にはそんなに詳しくなかったのだがドラゴンボールGTの主題歌であった「DAN DAN 心魅かれてく」が収録されているというためだけに小学校5年生の頃に買ったCD。
(何気にこのアルバムが人生初の自分で買ったCDとなる笑)
このアルバムは織田哲郎さんや坂井泉水(ZARD)さんが提供した楽曲が多く含まれているのが特徴。
「突然」「DAN DAN 心魅かれてく」「君がいたから」など含め様々なヒット曲が収録されている。
発売は2003年だがこのアルバムを購入したときは2007年の小学五年生という子供だったので アルバムを通して特に感じたことは無かったのだけど20歳を越えた今、改めて聴くと かなり切ない… 自分は記憶にないはずの90年代の情景?や青春?が蘇るような曲が多く収録されている。
特に個人的には印象的なイントロとメロディの「青い傘で」という曲の歌詞にある
“晴れた空にさした青い傘は
色付きの影をつくるひとつの宇宙”
この比喩的な表現だけど非常にその場の心境や情景が浮かぶ非常に素敵な歌詞だと思う。
そして「DAN DAN 心魅かれてく」という楽曲は前途したように アニメ ドラゴンボールGTの主題歌であり一話から最終話まで使われていた。この曲は子供の頃の思い出というのもあるだろうけれどアルバムの中で一番好きかもしれない。間奏で短調に変わるところが特に好き。
とても好き。
当時の思い出とともにFIELD OF VIEWを
この機会に是非聴いてみてください!
それでは、また次回!
筆者:町屋菊一(虚言倶楽部)