町屋菊一の世界 第2章

町屋菊一の独り言です。

おうちでロック〜CD紹介㉚〜

こんばんは、CD紹介のお時間です!

今日もやります。

 

第30弾は、、、

J・A・シーザー/国境巡礼歌・完全盤

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【Disc1】

1.転生譚

2.国境哀歌

3.エンプティ・バード変奏曲

4.首吊りの木

5.オルフェ・ヒロシマ

6.帝政ロシア顛落のロック

7.民間医療術

8.人形昇天

9.大鳥の来る日

 

【Disk2】

1.狂女節

2.東京巡礼歌

3.長髪楚囚

4.英名詩篇1

5.越後つついし親不知

6.母捨般若経

7.母恋しやサンゴ礁

8.英明詩篇2

9.和讃

10.人力飛行機のための演説草案

11.山に登りて告げよ

 

このアルバムは作曲家作詞家であり作家でもある日本アングラの知る人ぞ知るパイオニア

J・A・シーザーの1973年リリース「国境巡礼歌」を新たにマスタリングし2枚組として復元させた音楽アルバム。

 

この作品は1971年に東京日本青年館ホールで開催されたものを収録している。

 

シーザーは寺山修司の劇団「天井桟敷」の音楽担当として右腕的な存在で活躍を続けていた。

アングラ的で和風テイストのおどろおどろしい曲からハードロック調まで幅広い楽曲がある。

また90年代にはアニメ「少女革命ウテナ」の曲を担当したりアニメソングもいける人

 

現在は音楽に加え「演劇実験室◎万有引力◎」主宰者もつとめている。

 

アルバムとして音楽的な観点だけではなく

演劇的、社会的、文化的、哲学的にも色々と考えさせられる作品。

 

収録されている音楽はもとは劇中歌だが

その劇というのも日本だけではなくオランダのアルンヘムの広場やフランスのナンシーで「邪宗門」という作品を行ったりとかなり挑戦的で前衛的。

 

【国境哀歌】

誰にでも国家がある。

しかしそのための哀しさ悲劇を歌っている。

どこへ行っても国ばかり…

 

【首吊りの木】

原曲バージョンは呪詛のような夜中に聴いていると呪われそうな感じに仕上がっている。

こちらのバージョンはハードロック調

原曲バージョン→https://youtu.be/AasOJiEn3R8

 

【オルフェ・ヒロシマ

この曲は71年にオランダのアルンヘムでの野外劇「人力飛行機ソロモン」で外国人により歌われている。その後日本でも演奏される。

女性がずっとI have no country と連呼している。。

 

【大鳥の来る日】

語りの入った後 劇中で作られた大きな鳥に最後には火を放ち3000人もの目の前で燃え尽きていく。。壮大な劇曲

 

【英名詩篇1.2】

こちらの2作品は劇団員の佐々木英明氏による

詩の朗読である。

 

【越後つついし親不知】

歌詞はとても和風だが曲はかなりハードロック

2014年や16年のリサイタルでも演奏されている

とてもかっこいい曲。

https://youtu.be/OEvFobOY2XU

 

【母捨般若経

しば さば ばてん ゆりりうす

えとら せつりょう とど まさえ

ろけん やだいば あら だらに

 

などという造語?で繋がれたあとサビで

「死んでくださいお母(おっかさん)」という曲

何を言ってるのと思われるかもしれないが

そういう曲なので仕方ない。

 

【和讃】

これが一番好き。

ベースの音から荘厳に始まり歌詞は地獄和讃の話。ラストになるにつれヒートアップしドラムもエレキもめちゃくちゃかっこいい曲。

https://youtu.be/TetZCB9VrM4

 

人力飛行機のための演説草案】

詩の朗読と伴奏の後ろでずーっと世界の国を英語で読み上げるという前衛的すぎる曲。

長い曲。しかし詩がとても深い。

https://youtu.be/4dxe_-IEh3E

 

【山に登りて告げよ】

こちらも朗読から入る曲。

アルバムのラストを飾るにふさわしい大作。

 

 

という感じでかなりザックリと紹介してみました。

この作品に関しては語りだしたら1万字は超えそうなのでこれくらいにしておく。

18歳の頃に出会った音源だが5年経った今も聴くたびに解釈が変わっていく。

 

音楽だけでなく演劇、文学や哲学、詩が好きな方、是非J・A・シーザーの世界へ入ってみてください。

 

 

最後までご覧いただきありがとございました。

 

 

筆者:町屋菊一(http://twitter.com/machiya_3rock)