町屋菊一の世界 第2章

町屋菊一の独り言です。

おうちでロック〜CD紹介㉗〜

こんばんは、CD紹介のお時間です。

 

第27弾は、、、

 

頭脳警察/狂った一頁

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【収録曲】

1.オープニング

2.イントロダクション

3.次の一頁

4.沈黙の中で

5.短恨歌

6.再開

7.戒め

8.惜別

9.次の一頁

10.エンディング

 

 

このアルバムは頭脳警察の特別編のアルバム

衣笠貞之助という大正時代の映画監督の1926年

今からもう94年前の「狂った一頁」という作品をバックに頭脳警察が2010年に行ったライブを収録したものである。

 

映画の内容は精神病院で繰り広げられる狂気を描いたなんとも独特でホラーチックでアバンギャルドなもの。さらに音声のない映画なので想像力もかなり掻き立てられる。ちょっと怖い。

 

時間のある人はYouTubeにもあるので

是非実際にその世界を体験してほしい。

冒頭、MCでPANTA本人も言っているが

本当にこれが大正時代の作品なのかと思うほど表現豊かで色んな解釈が出来る映画だと自分も思う。

https://youtu.be/UXlQ1_9Ypwo

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このライブはあくまで映画の尺に合わせて曲を作ったというわけではないらしく起承転結におけるイメージから完成された作品。

そのためイントロダクションからエンディングまでとしっかり構成されている。

 

頭脳警察の1stなどの過激なイメージからすると

少し穏やかでそしてヘビーな感じの曲が多い。

しかしこのPANTAが作る曲達がどれもその映画のシーンのイメージにしっかり合っており、劇音楽としても充分に楽しむ事のできるアルバムになっている。

 

映画の内容も相まって曲のテーマは

恨みや別れ、再開、悲しみといったものが多いが、あくまでそういった感情、景色を

おどろおどろしく不気味にというのではなく

ロック的に熱情的に楽曲が作られており逆に言えばある意味ではPANTAらしく頭脳警察らしいとも言えるかもしれない。

 

また今回はギターとパーカッションだけでなく

ドラム、ピアノ、ベースなどといった楽器もふんだんに使われているので

そのライブの臨場感もさることながら

前衛映画の先駆者と日本語ロックの先駆者のコラボならではの狂気、凶器を感じとれる仕上がりになっていると思う。

 

機会があればぜひ、この音源にも映画にも触れてみてください。

 

 

最後までご覧いただきありがとうございました

 

 

筆者:町屋菊一(http://twitter.com/machiya_3rock)